ぴこぴこどうぶつびょういん 2−5


金曜日です。
いつものように、しんさつがはじまりました。
もじゃ先生が、


「では、かんじゃさんをよんでください。」


かんごしのほわんさんがよびました。


はいってきたのは、毛むくじゃらで、だれだかわかりません。


もじゃ先生が、


「あなたはだれですか?」


「ぼくはオランウータンです。」


もじゃ先生がききました。


「それで、どうしたんですか?」


オランウータンがいいました。


「チェロをひいていたら、毛がチェロにからまってしまったんです。」


ほわんさんが、


「あらあら、それはたいへん。ほどいてあげましょう。」


と言って、毛をほどいてあげました。


オランウータンとチェロが出てきました。


「みつあみにしたらいいじゃない?」


と、ほわんさんはみつあみをたくさんつくってリボンをつけました。


「いやいや、これではコンサートにはでられません。」


ほわんさんが、


「じゃあ、のりでかためたらどうかしら。」


やってみたのですが、のりがかわくとうごけません。


 
もじゃ先生が、


「コンサートがあるんですか、それでは、いいものをかしてあげましょう。」


おくのへやからタキシードをもってきました。


「これをきたらどうでしょう。」


オランウータンはそのタキシードをきてみました。 
そして、チェロをひきました。


ほわんさんが、


「なんてすてきなねいろなのかしら。」


オランウータンでもまんぞくのようです。


「先生、ありがとうございます。そうだ、これはコンサートのチケットです。ぜひきてください。」


と、だいじそうにタキシードとチェロをかかえてかえっていきました。