ぴこぴこどうぶつびょういん 4


木ようびです。
 
あさ早くいきなり、だれかがぴこぴこびょういんのドアをたたきました。


「先生、もじゃ先生、たいへんです。」


「どうしたんですか、きゅうびょうですか。」


 
先生がねむい目をこすりながら、ドアをあけると、それは山にすんでいるさるでした。


「カラスのすが、青いばけものにおそわれて・・・。とにかく、いっしょにきてください。」


もじゃ先生は、なにがなんだか、よくわかりません。
が、とにかく、いそいできがえて、さるのうしろをついていきました。
さるがやっととまりました。


そこにはきつねやたぬき、いのしし、うさぎ、すずめ、カラスなど山のどうぶつがいっぱいあつまっていました。


 
もじゃ先生はいいました。


「どうしましたか?」


「この木です。カラスのすがあるのは・・。」


 
木の上にカラスのすがありました。
そのす がばけものにおそわれているようです。
さるが、


「子どもたちはもうたべられてしまいました。
先生、はやくおとうさんカラスと、おかあさんカラスだけでもたすけてください。」


 
おとうさんカラスとおかあさんカラスだけが、まだ、ばけものにたべられていません。


おとうさんカラスがいいました。


「先生、子どもたちはまだばけもののおなかでないています。
けさ、とつぜん、空からこの青いばけものが大口をあけておそいかかってきたのです。」


子どもたちのこえが、ばけもののおなかの中からきこえてきます。


「カアカア、くらいよー」


「カアカア、はやく出してよー」


もじゃ先生は、ようく、その青いばけものを見ました。


「あっ、あれは?」
 
そうです。それはきのうとんでいった、もじゃ先生の青いパンツではありませんか!
 
先生は、ふきだしそうになるのをいっしょうけんめいがまんして、いいました。


「わかりました。いま、ぼくがたすけてあげますから、ちょっと、まっていてくださいね。いいですか、ぼくのいうとおりにしてください。」


みんなしずかに見ています。 
 
「ではまず、おとうさんとおかあさん。
ゆっくりと、はねをはねをひろげてみてください。」


二わのカラスはゆっくりとはねをひろげました。


「こんどは、そのままとんでください。はい、ゆっくりですよ。」


二わのカラスがとび上がると、青いばけものもいっしょにとび上がりました。
すると、その下から子どもが三わ出てきました。


「子どもたちがたすかったぞー。」


「こんどはそうっと、ここまでおりてきてください。
ばけものをおこらせないように、そうっとですよ。」


カラスがばけものといっしょにおりてきました。


もじゃ先生は、


「えいっ!」


と、ばけものをなげとばしました。ばけものはぐったりとたおれています。
もじゃ先生は、そのばけものをポケットにねじこみました。


山のみんながはくしゅをしています。
カラスのいっかがなんかいもおれいをいいます。


もじゃ先生は、


「これでもうだいじょうぶです。では。」


といってかえっていきました。かえってから二まいのパンツをあらいました。