ぴこぴこどうぶつびょういん 6


土ようびです。
 
いつもはひまなのに、きょうはいそがしい一日でした。
 
はなにとげのささったぞうさん。それから、くびをねんざしたへびさん。
ねぶそくのふくろうさん。ぎっくりごしのかばさん。
かぜをひいたくまさん。ものもらいのゴリラさん・。
 
もじゃ先生も、ほわんさんもてんてこまいです。


「やれやれ、やっとおわったな。」
 
とたんに、てんじょうからなにかおちてきました。
 
どた どた とたたたた・・・。


でも、なにもありません。
先生も、ほわんさんもみまわしましたが、なにもかわったようすがないのです。
 
すると、どこかから、


「先生、こんにちは。ぼくねずみのガリガリです。
そして、これはぼくの子どもたち。五つ子です。」
 
たしかにこえはきこえるのです。が、見えません


「あのう、いったいどこにいるのですか?そして、どうしましたか。」


 
すると、ねずみのガリガリは、


「すみません。そうでした。
ぼくたちはとうめいねずみなのです、だから、先生たちには見えないのです。」


 
ほわんさんは、


「とうめいねずみなんて、ふしぎだわ。」


といいました。ガリガリは、


「そこのタオルを、こえのするところにかぶせてください。」


ほわんさんがタオルをかぶせました。
すると、タオルにねずみのかたちが、もっこりあらわれました。 
 
ガリガリがいいます。 


「もじゃ先生、じつは子どもたちのしっぽがこんぐらがってとれなくなったのです。」
 
もじゃ先生は、


「とってやればいいでしょ。ぼくには見えないものをほぐすことは出きませんよ。」


「ぼくたちにも見えないんです。」


 
もじゃ先生は、タオルをじっと見ました。ほわんさんが、


「ねえ、あなたたち、もし、ビスケットをたべたら、ビスケットも見えなくなるの?」


とうめいねずみのガリガリはいいました。


「いいえ、たべたものはうんちになるまで、見えるのです。」


すると、もじゃ先生は、


「なんだ、かんたんですよ。ほわんさん、いろいろなジュースをよういしてください。」


ほわんさんは、いちご、オレンジ、メロン、グレープ、そしてぎゅうにゅうをもってきました。
そして、すこしづつおさらにとって、


「さあ、きみたち、のみなさい。」


あっというまに、おさらがからになりました。
ねずみの五つ子が、タオルの上に見えてきました。


もじゃ先生は手さぐりで、からんだしっぽをほどいてやりました。


ほどきおわったとき、タオルがジュースいろにぬれました。
子ねずみたちがおしっこをしたのです。


「ありがとうございました。」


といって、かえっていきました。たぶん、帰ったはずです。


あしたは日ようびです。
先生は、なあんにもしないでいようとおもっています。