ぴこぴこどうぶつびょういん 3


水ようびです。


先生がいつものように


「では、かんじゃさんを。」


というと、ほわんさんが、


「きょうはだれもきていません。」


ほわんさんは、そとをながめています。
ぽかぽかいい天気です。
もじゃ先生は、いっぱいたまったせんたくもののことをおもいだしました。
ほわんさんに、


「じゃあ、だれかきたらよんでください。」


といって、しんさつしつを出ていきました。
 
たまりにたまったせんたくもの。
たんすの中がからっぽになりそうです。
せんたくきにどんどん入れます。
せんたくきもがんばってまわります。いい天気です。
気もちのいいかぜもふいています。


あらいおわったせんたくものをほしていきます。
あらってもあらっても、ほしてもほしても、まだまだあります。
ぜんぶほしおわったころには、もうおひるでした。
おなががすきました。
ごはんでもたべようかとおもったそのときです。
きゅうにつよいかぜがふいて、はじめにほしたパンツが二まいとんでしまったのです。


二まいのパンツは空たかくのぼっていきました。
ひとつは赤と白のしましまパンツ、もうひとつは青いパンツでした。


ところが、とちゅうでしましまパンツは、町のほうへ、
青パンツは山のほうへ、わかれてとんでいったのです。
しかたなくもじゃ先生は、町のほうへいったパンツをおいかけました。


おちたところは、町のようちえんでした。
ようちえんでは、うんどうかいのれんしゅうをしていました。


しまもようのパンツは、大玉ころがしの大玉の上におちました。
大玉といっしょにころがって、すっかりすなだらけになってしまいました。
パンツはもうくしゃくしゃです。


子どもたちは、もじゃ先生を見て、わらいだしました。
もじゃ先生も、パンツをぶらさげて、わらいだしました。


「やれやれ、もういちどあらいなおしか。」
 
もじゃ先生は、パンツをかた手に、びょういんにかえりました。
 
山へとんでいった青パンツはみつかりませんでした。