ぴこぴこどうぶつびょういん 5
金ようびです。
「では、かんじゃさんをよんで。」
というと、ほわんさんが、ふるえながら、
「先生がよんでください。わたし、こわくて。」
というのです。しかたがないので、先生が、
「どうぞ、入ってください。」
とよびました。
すると、入ってきたのは、大きな口をあけっぱなしにしたワニです。
ワニが言いました。
「あわわあわわて、わわって。」
さっぱりわかりません。
でも、どうももじゃ先生たちをたべにきたのではないようです。
もじゃ先生は、少しちかづいて、もういちどきいてみました。
「あわわあわわて、わわって。」
「あのー、あごががずれたんでしょうか?」
とききました。すると、ワニは大きくうなずきました。
「あごをなおしたとたんにたべられたら、どうしよう。」
先生は、じっくりとかんがえて、
「それでは、そとへ出てください。」
もじゃ先生と、大きな口をあけたワニが、そとへ出ていきました。
ほわんさんは、ベッドの下にかくれてしまいました。
先生は、どこからかながいぼうをもってきました。
そして、そのぼうにロープをしばりつけました。
もじゃ先生は、おそるおそるワニにちかずいて、
そのぼうを、ワニの口にカチッと立てました。
そして、あごのはずれているところを金づちでなんどもたたきました。
「はい、はまりました。」
と、いうと、いそいでそのロープのはしをもって、げんかんへむかってはしりました。
そして、そのロープのはしをおもいっきりひっぱりました。
ワニの口からぼうがはずれて、
「パクリ!」
ワニの口がとじました。
もじゃ先生はいそいでドアをしめて、ワニのようすを見ました。
ワニは口をパクパクとして、
「ありがとうございました。」
といってかえっていきました。
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